ロボジョイちゃれんじ教室

10-2 ロボット競技に役立つEV3機構入門

第2回「平歯車の仕組み」と「かさ歯車とウォームギアの仕組み」


◆かさ歯車とウォームギアを使った仕組み

2つ目のテーマはかさ歯車とウォームギアです。
まず、かさ歯車についてです。

かさ歯車とは、円すい台の形をした歯車のことをいいます。

かさ歯車の特徴は、直角に交差した回転軸に動力を伝えられることです。

通常の歯車は1つ目に紹介した平歯車のように歯車同士が隣に並んで、回転軸が平行になっています。

しかし、かさ歯車は上図のように歯車同士が直角になっていて、回転軸が直角に交わっています。
これにより、動力を伝える方向を直角に変えることができます。

また、かさ歯車の回転数の変え方は平歯車と同じです。
回転数を同じにする場合は同じ歯数のかさ歯車を使い、回転数を変える場合には歯数の違うかさ歯車を使います。

かさ歯車は、歯車の歯の形によって分けられ、「すぐばかさ歯車」や「まがりばかさ歯車」などがあります。

レゴの部品では左図の部品を指します。
左から12・かさ歯車、20・かさ歯車と呼びます。

この仕組みは、車のディファレンシャルギアや回転方向を直角に変えるときなどに使われています。

次に、ウォームギアについてです。

ウォームギアとは、ねじのような形状のウォームと、それにかみあうウォームホイールによって構成されています。

ウォームギアの特徴は、直角に交差した回転軸に動力を伝えられることと大きな減速比を得られること、セルフロック機能があることです。

1つ目の特徴の「回転軸が直角に交差している」について説明します。

左図を見てください。
左図は、ウォームとウォームホイールを上から見た図です。
上から見ると2つの回転軸が直角に交わり、回転方向が変わっていることがよく分かります。
これにより、動力を伝える方向を変えることができます。

次に2つ目の特徴の「大きな減速比を得られること」について説明します。

それではまず、ポイントとなる減速比について説明します。
減速比とは入力側(ウォーム)の回転数と出力側(ウォームホイール)の回転数の比のことを表しています。
左の式を見ると、減速比が大きいほど出力側の回転数は少なくなることが分かります。

ウォームは1回転するごとに、歯車の歯を1つ回します。
例えば、8つの歯がついた歯車を1回転させるためにはウォームを8回転させなければなりません。
よって、出力側の歯車の歯数が多いほど減速比は大きくなることが分かります。

最後に3つ目の特徴の「セルフロック機能」について説明します。

ウォームギアは、ウォームを回すとウォームホイールが回ります。
しかし、逆にウォームホイールを回してウォームを回すことができません。

レゴの部品では左図の部品を指します。

この仕組みは、顕微鏡や望遠鏡などのピントを調節する部分などに使われています。

では、実際に問題を解きながら、どのようなしくみか確認してみましょう。
問題では次のパーツを使用します。問題によって使用するパーツ、使用しないパーツがあります。

12・かさ歯車

1個 1個

36・ギア

1個

24・ギア

2個

16・ギア

1個

12・ギア

1個

コネクタ類

長さ:5,7,9

なお、左図の黒い歯車もかさ歯車と同じように使うことができます。
左から、36・ギア、20・ギア、12・ギアと呼びます。

【問題1】

左側に設置されている歯車を駆動側、右側に設置されている部品を従動側とします。

左のパーツ(12・かさ歯車と16・ギアと36・ギア)を使い、
駆動側の歯車(24・ギア)を1回転で、
従動側を0.5回転させるためには、
どう歯車を設置すればよいでしょう?

※歯車の回転を見やすくするために従動側に白いパーツを取り付けています。