では、答えを見てみましょう。
正解は左図のように歯車を配置します。
この問題のポイントは、動力の伝達方向を直角に変更することと、大きな減速比を得ることにあります。
かさ歯車やウォームを使うことにより、動力の伝達方向を直角に変更し、大きな減速比を得ることができます。
それでは、従動側歯車の回転数が12分の1になる理由を説明します。
まず、駆動側の歯車(24・ギア)と従動側の歯車(12・ギア) の歯数の比率は 24÷12=2 となります。
これは駆動側の歯車が1回転すると、従動側の歯車が2回転することを表しています。
次に、駆動側の歯車(12・ギア)と従動側の歯車(12・かさ歯車)の歯数は同じなので、駆動側と従動側の歯車の回転数は同じになります。
また、12・かさ歯車とウォームは同じ軸で回転するので、ウォームの回転数は12・かさ歯車の回転数と同じになります。
これを1つの式にまとめると比率は2となり、駆動側の歯車(24・ギア)を1回転させると従動側の歯車(12・かさ歯車)は2回転します。
最後に、ウォームは1回転するごとに出力側の歯車(24・ギア)の歯を1つ回すので減速比は24÷1=24 となります。
これはウォームを24回転させると24・ギアが1回転することを表しています。
よって、駆動側の歯車を(24・ギア)を1回転させると、従動側の歯車(24・ギア)は1/12回転します。
実際に動かした様子はこちら
この動画は、左端の歯車(24・ギア)を12回転させると、右上の歯車(24・ギア)が1回転しています。
左端の歯車の回転を見やすくするために、白いパーツを歯車と同じ軸に取り付けています。
手で左側の歯車(24・ギア)を回して、右側の歯車(24・ギア)の様子を確認してみましょう。
また、右側の歯車(24・ギア)を回してみて、ウォームが回らないことも確認してみてください。
今回は、いろいろな歯車を使った仕組みについて説明しました。歯車の配置や形、歯数の違いで歯車の回転数や回転方向が変わることが分かりました。
次回は、リンク機構を紹介していこうと思います。
文 / 伊藤敬亮 大塚健太