ロボジョイちゃれんじ教室

2-3 エレキ入門

第6回「NXTインテリジェントブロック」

レゴマインドストームを「電気」という視点で紹介するというコーナー、名付けて「エレキ入門」です。電気の知恵をロボット作りに生かしてみましょう。
 今回はレゴマインドストームNXTでロボットを作るうえで無くてはならない重要な部品、「NXTインテリジェントブロック」についてです。
(松原拓也)

■NXTを作っている部品

こちらが皆さんよくご存知の「NXTインテリジェントブロック」です。ロボットの頭脳となって働き、センサーやモーターを動かしてくれる部品です。
(なお、毎回「NXTインテリジェントブロック」だと長すぎるので、以下、「NXT」と書きます。)

こちらがレゴ社のwebサイト(http://mindstorms.lego.com/)で公開されている「LEGO MINDSTORMS NXT Hardware Developer Kit」という技術的な資料です。略して「HDK」と呼びます。
この資料の中にはNXTの回路図もあります。これを解読すれば、NXTのしくみについてわかるわけですが、、、

、、、非常に内容が難しいです。これを順番に紹介していこうかと思ったのですが、どこまで細かく細かく噛み砕いても難しすぎます。
そこでここでは、難しい部分はできるだけ大ざっぱに紹介していきたいと思います。 さらに興味のある人はHDKを読んでみてください。

まずはNXTを構成している部品についてです。
NXTには2つのマイコンが入っています。なぜ2個も使っているのかというと、処理する量が多すぎて1個では足りないからです。
この2つのマイコンは「親分と子分」のように、片方が常に命令する立場になっています。命令する側を「メインプロセッサ」、命令される側を「サブプロセッサ」と呼びます。サブプロセッサ側はモーターの回転量検出、 NXTボタンの検出、バッテリの電圧チェックなどを担当していて、それ以外の処理はメインプロセッサが担当しています。
メイン側には「AT91SAM7S256」という比較的高級な32ビットのマイコンが使われています。もしこのマイコンを1個だけ買った場合の値段は1113円ほどです(DIGI-KEYにて。2009年4月現在)。
それから、NXTに使われているおもなマイコンやICを列挙してみました。かなり専門的な情報なので、読み飛ばしてもかまいません。

・メインプロセッサ:Atmel社製「AT91SAM7S256」
・サブプロセッサ:Atmel社製「ATmega48V」
・モータドライバIC:三洋製「LB1836M」「LB1930M」
・シリアル通信用のIC:「ST485」
・ブルートゥース用チップ:CRS社製「Bluecore」
・サウンド出力用IC:「SPY0030A」

では、そもそも「マイコン」とはどんなことができる部品なのでしょうか?
簡単に説明すると、マイコンは計算をしたり、信号を入力したり、出力したり、情報を記憶したりすることができます。
マイコンの機能については、「データシート」という技術的な資料に書かれています。たとえば、メインプロセッサである「AT91SAM7S256」のデータシートは「アトメル」という会社のwebサイト(http://www.atmel.com/)で公開しています。ただし、これは英語で書かれていることと、情報が詰まりすぎている(なんと700ページ以上)ので読みこなすのは難しいです。