ロボジョイちゃれんじ教室

10-2 ロボット競技に役立つEV3機構入門

第1回「プーリーとベルトを使った仕組み」


【問題2の答え】

では、答えを見てみましょう。

正解は左図のように2つのプーリーと2つのブッシュ(小さいプーリー)を組み合わせて輪ゴムを掛けています。
この問題のポイントは回転数を小さくすることにあります。
大きさが同じプーリーの場合は、同じ回転数で回転していましたが、片方のプーリーの大きさを変えると回転数が変化します。

例えば、円周が50cmのプーリーAと円周が1mのプーリーBがあるとします。プーリーAを1回転させるとプーリーBは半回転し、プーリーAを2回転させるとプーリーBは1回転します。
プーリーAの回転数とプーリーBの回転数を比べるとプーリーBは1/2になり小さくなることが分かります。

問題2の答えに当てはめてみると、ブッシュの直径が約6mm、プーリーの直径が約20mmなので、左のブッシュから真ん中のプーリーに回転が伝わると「6mm÷20mm=0.3」で回転数が0.3倍になります。
同じように真ん中のブッシュから右のプーリーに回転が伝わると、さらに回転数が0.3倍になります。
つまり、左のブッシュと右のプーリーを比べると、回転数が0.09倍になり、回転数が小さくなることがわかります。

実際に動かした様子はこちら
左側のプーリーを回転させると、右側のプーリーほど回転数が小さくなっています。手で左側のプーリーを回して、輪ゴムでつながれた右側のプーリーの様子を確認してみましょう。
※動画では、回転方向がわかりやすいように、駆動軸のシャフトに白いパーツを取り付けています。

今回は、プーリーを使った仕組みについて説明しました。同じパーツでもベルトの掛け方や組み合わせで、違う動きになることがわかりました。
次回以降もレゴのパーツを使って、色々な機構を紹介していこうと思います。

文 / 伊藤敬亮 大塚健太