ロボジョイちゃれんじ教室

10-2 ロボット競技に役立つEV3機構入門

第3回「4節リンク機構」と「スライダ・クランク機構」

ここでは、教育版レゴ マインドストームEV3のパーツを使って、ロボット競技にも役立つ色々な機構を学習していきます。
最終的には、ロボット競技でよく登場する“ある動き”のしくみが分かるようになることを目指します。


今回は、「4節リンク機構」と「スライダ・クランク機構」を使った仕組みを説明していきます。
※説明のイラストが見にくい場合は、イラストをクリックすると大きなサイズで見ることができます。

◆4節リンク機構を使った仕組み

1つ目のテーマは4節リンク機構です。
4節リンク機構とはどんなものかを私たちの身近にある自転車を使って説明します。

まず、4節リンク機構とは左図の赤線で繋がった四角形のことを言います。
左図で、4節リンク機構は4つの赤線で成り立っており、赤線を「リンク」と呼びます。

リンクはそれぞれ、原動節(げんどうせつ)、従動節(じゅうどうせつ)、中間節(ちゅうかんせつ)、固定節(こていせつ)のように名前と役割が分けられています。
では、4つのリンクの役割をみてみましょう。

原動節・・・機構に動力を与えるリンク
従動節・・・機構の運動を外部へ出力するリンク
中間節・・・原動節と従動節の間で、運動の伝達・変換を行うリンク
固定節・・・固定されて動かないリンク

左図は、自転車のペダル付近を拡大した図です。
4つの節を自転車の例に当てはめると、
・原動節が動力を与える太ももの部分
・中間節がひざからペダルまでの部分
・従動節が自転車のクランク部分
・固定節が自転車のフレーム部分
になります。

4節リンク機構は、てこ・クランク機構、両てこ機構、両クランク機構に分けることができます。

自転車に使われている4節リンク機構は、てこ・クランク機構です。

てこ・クランク機構の特徴は、揺動運動(ようどううんどう)を回転運動に変えることです。
また、その逆の回転運動を揺動運動に変えることもできます。
用語の説明を以下に示します。

揺動運動 ・・・ 自動車のワイパーのように弧を描いて往復する運動
てこ     ・・・ 揺動運動するリンク
クランク   ・・・ 回転運動するリンク

自転車の例で考えると、太もも(てこ)を揺動運動させることによりクランクが回転し、自転車に動力を伝えることができます。