4節リンク機構は4つのリンクによって成り立っていますが、リンクの長さが適当では成り立ちません。
左図を見てください。
左図は、てこ・クランク機構が三角形になる瞬間を表わしています。
ここでポイントとなるのは、三角形の辺の性質です。
三角形には「2辺の長さの和は、他の一辺の長さより大きい」という性質があります。
この性質を左図の①~④で考えると、以下の条件が成り立ちます。
① a+d ≤ b+c
② b-a ≤ c+d また (b-a)+d ≥ c → a+c ≤ b+d
③ d-a ≤ b+c また (d-a)+b ≥ c → a+c ≤ b+d
④ a+b ≤ c+d
上の式の条件をまとめると、次のように表現することができます。
(最短リンク) + (他の1つのリンク) ≤ (残り2つのリンクの和)
これを「グラスホフの定理」といい、この定理を満たす機構をグラスホフ機構といいます。
4節リンク機構は、てこ・クランク機構、両てこ機構、両クランク機構の3種類に分けられると説明しました。この種類は、固定するリンクの長さの違いによって分けられます。
てこ・クランク機構は最短リンクの隣のリンクを固定しています。
両てこ機構は最短リンクと向かい合うリンクを固定し、両クランク機構は最短リンクを固定しています。
ここまでの説明をまとめると左図のとおりです。
私たちの身近にある例の1つとして自転車を取り上げましたが、このほかにも4節リンク機構は自動車のワイパーや扇風機の首振りのなど、いろいろなとこに使われています。
では、実際に問題を解きながら、どのようなしくみか確認してみましょう。
問題では次のパーツを使用します。問題によって使用するパーツ、使用しないパーツがあります。
5・7・9・11・13ビーム |
各2個 | 40・ギア |
1個 | 固定ペグ |
各3個 | 固定ペグ |
2個 |
長さ:5 |
1個 |
《作り方のポイント》
1.固定節のビームの端に、下のパーツを下図のように取り付けてください。
2.回転ペグを使って、ビーム同士がぶつからないように段差をつけてください。