ロボジョイちゃれんじ教室

10-2 ロボット競技に役立つEV3機構入門

第5回 「遊星歯車機構の仕組み」と「ユニバーサルジョイントの仕組み」

ここでは、教育版レゴ マインドストームEV3のパーツを使って、ロボット競技にも役立つ色々な機構を学習していきます。
最終的には、ロボット競技でよく登場する“ある動き”のしくみが分かるようになることを目指します。


今回は、「遊星歯車機構」と「ユニバーサルジョイント」を使った機構を説明していきます。
※説明のイラストが見にくい場合は、イラストをクリックすると大きなサイズで見ることができます。

◆遊星歯車機構を使った仕組み

遊星歯車機構は、3種類の歯車によって構成されています。
中心にある歯車を太陽歯車、太陽歯車のまわりにある複数の歯車を遊星歯車と呼びます。
この2種類の歯車は内歯車の内部で回転します。
また、複数の遊星歯車はキャリアで連結されています。

遊星歯車機構は、1組の互いにかみあう歯車において、2枚の歯車がそれぞれ回転すると同時に、一方の歯車が他方の歯車の軸を中心に公転します。
左上の図で説明すると、遊星歯車は黄色の矢印で示すように太陽歯車とかみ合い自転しています。それと同時に、赤い矢印で示すように太陽歯車の周りを公転しています。

この動きは、太陽と太陽の周りを公転する惑星(遊星)との関係に似ています。

遊星歯車機構の特徴は、少ない段数で大きな減速比を得ることです。
遊星歯車機構は、3種類ある歯車のいずれかを固定することにより出力軸の回転速度を増減、または逆回転させることが出来ます。

例えば、内歯車を固定して、キャリアに入力を加え回転させるとします。
キャリアの回転が太陽歯車に伝わり、太陽歯車が回転します。
このとき、太陽歯車の軸が出力軸となります。